この記事はそんな人向けに書かれています。
こんにちは!カナダ生活6年目のようぺーです!カナダで子供が生まれた時に知っておきたい制度の1つで、RESP(Registered Education Savings Plans)について紹介していきます。
僕も実際にネット証券のQuestradeで利用していますが、子供がいる方はこの制度を利用しないと、最大で7,200ドルを受け取り損ねてしまう可能性があります。また、低所得者の場合はRESP口座を開設するだけで、合計で2,000ドル以上を受け取る事が出来るんです。
家計にとってインパクトのある金額となってくるので、この記事を読んでRESPについての理解を深めて、子供の教育資金の準備に役立ててみてくださいね!
RESPってどんな制度なの??
RESPは日本語に直訳すると「登録型の教育貯蓄プラン」といった意味になります。
北米では日本よりもインフレの影響が大きく、必要になる教育資金も年々上昇中。そうなると、子供を育てるのが大変だし、家庭によっては経済的な事情により十分な教育機会を得られなくなってしまいますよね。
そうならないために、国が子供がいる家庭に対して教育資金の準備をサポートしてくれます。
ちょっとややこしい仕組みですがなるべく、わかりやすいように順を追って説明していきますね!
RESPの主な特徴
- 金融所得の非課税
- 各種の補助金(最大で7,200ドル)
補助金が最大で7,200ドルはとても大きいですよね
僕が始めてカナダに来た時に乗っていた車が5,000ドル前後でしたが。車種や年式にもよりますが、中古車が買えてしまうぐらいの大きな金額。
そのため、カナダで子供が生まれたらRESPは絶対に利用しておきたい制度の1つとなっています。
利用可能な人について
基本的には子供がいる世帯を対象としています。
拠出可能な限度額について
TFSAでの利用可能な拠出額は毎年4,000〜5,500ドル前後と制限がありましたね。
しかしながら、RESPについては、「子供一人に対して生涯で50,000ドルまで」となっています。TFSAのように毎月の拠出額の制限はありません。
極論を言うと開設してすぐに50,000ドルを拠出して、金融所得の非課税メリットを最大化するということも出来ます。リターンに対する複利も効かせる事が出来ます。
(ただし、後ほど説明しますが、補助金が一部受け取れなくなる場合があるので注意)
教育資金に関する、4つの補助金について
- Canada Education Savings Grant (CESG)
- Additional Canada Education Savings Grant (A-CESG)
- Canada Learning Bond (CLB)
- Provincial Saving Incentives
厳密にいうと、最後のは今回のRESPの補助金ではないのですが、教育に関する抑えておきたい補助金の1つなので、合わせて紹介していきますね。
Canada Education Savings Grant (CESG)
- 拠出額の20%を補助金が受給可能
- 基本的に上限は年間500ドルまで
- 一生のうち最大7,200ドルまで受給できる
満額を受給しようとした場合は年間2,500ドル、月209ドルずつを拠出したすると、500ドルを補助金として受け取ることができます。
補助金を満額の500ドルを受給できなかった場合は、翌年までに3,000ドルとか4,000ドルとかを拠出することにより500ドルを越えて補助金を受け取る事が出来る。
Additional Canada Education Savings Grant (A-CESG)
上記のCESGの補助金に加えて、最初の500ドル/年までの拠出に対して支給される補助金。世帯年収に応じて10%〜20%変動。
- 49,020ドル以下:20%(100ドルまで)
- 49,020ドル〜98,040ドル:10%(50ドルまで)
ただし、CESGとA-CESGを合計した生涯で最大7,200ドルとなっています。
Canada Learning Bond (CLB)
この補助金は低所得者を支援する事が目的となっているので、所得制限があります。子供が1〜3人の場合は世帯年収が49,020ドル以下の必要があります。
- 新規口座開設時:125ドル
- 子供が15才になる毎年:100ドル
Provincial Saving Incentives
こちらは、州が独自に設けている制度となっています。
例えば、僕の住んでいるBC州の場合はBC Training and Education Savings Grant (BCTESG)という制度があります。
これは子供一人に対して、1,200ドルが支給されます。カナダは子育てに力を入れていて、その他の州でもこうした子供の支援をする制度を独自で設けているところが多いと思います。
各種の補助金をもらうための方法について
証券会社や銀行などでRESPの口座を開設したら、基本的な手続きは委任出来るのでご自身でやることは特にありません。拠出額によって補助金は自動的にRESPの口座に振り込まれます。
各種プランについて
RESPには下記のように、3つのプランがあります。
- ファミリープラン (Family Paln)
- 個人のプラン (Individual plan)
- グループプラン (Group plan)
個人向けは特定の子供一人に対して資金管理する場合で、グループプランは親以外がRESP口座に拠出していく場合のプラン。ファミリープランは子供の間で口座の共有が可能。
我が家では子供が一人しかいません。ですが、今後の子供が生まれるかもしれない事を想定してファミリープランを利用していますし、周囲の利用状況としてはファミリープランを使う人が多い印象です。
RESPのデメリットや注意点
- 生涯の拠出額は5万ドルまで
- 補助金の上限7,200ドル以上は受け取れない
- 子供が35才までに使わなかった場合は、補助金分は返金
日本やアメリカの大学に行きたいとなった場合はRESPから教育資金として引き出しが可能。子供が35才までに大学や専門学校に行かなかった場合は、補助金で受け取った金額は返金しないといけません。
僕のRESPの運用状況と方針
- 2021年12月:第一子が誕生!
- 2022年1月:QuestradeにてRESPの口座を開設
- プラン:ファミリープラン
- 年間拠出額:2,500ドル(補助金を満額受け取るため)
月で換算すると209ドルで満額の補助金を受け取ることが出来るので、児童手当の一部を拠出しています。
現在は、とりあえず1,000ドルをRESPの口座に入金して運用を開始しました!購入予定の銘柄は米国のVanguard S&P 500 ETF (VOO)なっています。
子供が14〜17才ぐらいになってきたら、資金が必要になってくるであろうタイミングで債権や現金にしてリスク資産の割合を抑えていこうと思います。
この辺りの方針は家計状況よって変わってくるかと思いますが、運用状況をできるだけ随時公開していきますね。
2月28日:200ドルの補助金が振り込まれました
1,000ドルを拠出していたので、20%にあたる200ドルがRESPアカウントに政府から振り込まれていました。ありがとうございます!
年2,500ドル積み立てた場合のシュミレーション
上記の表はBC州に住んでいて利回りが4%、17年間積み立てた場合となっています。
子供が17才時点で80,231ドルがRESP口座を通して構築できます。ちなみに現金でただ積み立てていた場合は42,500ドルとなる。そのため、RESP口座を利用することにより、将来の教育資金が約2倍も変わってしまうのです。
もちろん、利回りが4%になるのとは限らないとか、毎月一定の額を積み立てるのはつらいなど色々な考えがあると思います。ただ、これだけの金額差があると利用しないとかなりもったいないですよね。
また、将来の教育費に備えたい方は、合わせて副業にも取り組んでおくとRESPに拠出できる金額も十分に確保出来て、収入の多角化に繋がり安心につながるかと思います。
QuestradeでのRESPの開設手順について
僕はネット証券のQuestradeを利用していますが、銀行などでは口座維持費がかかったり、金融商品の購入時に手数料が高いので、個人的にはあまりおすすめ出来ないかなと。
インターネット上から30分〜60分程度で開設可能となっています。カナダで子供が生まれたり、日本国外からカナダに転居して要件を満たしたら、開設しておくといいですよ。
具体的な口座開設の手順は下記の記事にてまとめています。
まとめ:RESPで子供の将来の教育資金に備えよう!
- 金融所得に対する利益は非課税
- 子供一人あたり生涯で補助金が最大7,200ドル受給可能
投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェットの生涯の年間平均リターンが20%と言われていますが、そのリターンに匹敵するレベルのサポートを国が行ってくれるわけです。
我が家は子供が専門学校や大学に行く時に少しでも家計の負担を減らすためにQuestradeを利用して早めに備えています。
自分の子供に向かって「ごめんね。うちはお金がないから、大学や専門学校には行かせてあげられないの」とか絶対に言いたくないじゃないですか。
そうならないためにも開設手数料などはかからないので、基本的にはカナダで子供が生まれたりしたら、すぐに利用しておきたい仕組み。低所得者〜高所得者まで十分に恩恵を享受できるので、子供がいる方はまずは少額から利用おきたいですね。
個人の資産形成を目的としたTFSAはこちらの記事をどうぞ。RESPと合わせて抑えておきたい制度のひとつです。